
1.口頭発表
従来工法が抱える課題を解決するかご系新工法の構造や特長、施工事例を紹介。イベント | 第65回治山研究発表会 |
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テーマ | 多様な現場で適用可能なかご系新工法 |
発表者 | 長野 恒平 |

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発表テーマのかご系新工法「多角形EXセル」は、以下のような特長を持っています。
・エキスパンドメタルのパネルで構成され、耐荷性能に優れる
・パネルを八角形のセル殻構造に組み立てた安定性の高い形状
・中詰材には50mm以上の礫が使用でき、重機による投入が可能
・吸出し防止材を取り付けることで現地発生土も中詰材として適用可能
・恒久構造物としても適用できる耐久性を有する
多くの方から関心が寄せられる中、質疑応答では以下のご質問を頂き、それぞれ回答しました。
Q.セルを八角形にした理由
A.円形に近い形状にすることで、中詰材により作用する土圧を分散化し、内部材を拘束する効果も大きく、
変形を抑止できる。また、円形形状とは違い直線の面がある事で隣り合うセル同士の連結がしやすく
構造物全体の一体化が図れる。
Q.他工法との経済性比較
A.類似の大型かご工法と比べて―25%程度のコスト縮減が図れる。
ふとんかご工と比べて+25%程度のコスト増(恒久構造物としても適用できるよう、主要部材を
エキスパンドメタルにしたことにより材料費が増加したため)。
2.新技術紹介ブース
新技術紹介ブースでは「脱炭素化に向けた再生資源活用工法」をテーマに、ダブルウォールを代表とした現地発生土砂を活用できる工法や、竹を土木資材として活用した補強土擁壁バンブーウォールについての展示を行いました。国をあげてのテーマでもあり、全国から来られたたくさんの方と意見交換をすることができました。3.パネル展示ブース
パネル展示ブースでは「令和6年台風10号災害における新たな⼟砂災害対策工実施例」と題し、神奈川県の秦野峠林道内における新しい防災対策事例を紹介しました。当事例では呑口部閉塞防止工として土砂/小礫対応のVCC道路防災対策工、スリット部両端の間詰め工として多角形EXセルが採用されております。
短期間かつ低コストで工事が完了できたこと、同様の災害復旧や事前対策に有効な工法であることを知っていただくよい機会となりました。