
INSEMーダブルウォールは、現地発生土砂とセメント等を混合した砂防ソイルセメント(INSEM)を中詰材に使用し、上下流壁面材と多段タイ材で拘束補強することで十分な堤体の強度と一体化を確保したダブルウォール構造の砂防堰堤です。
ダブルウォール構造であることにより中詰材のINSEMは低強度(0.5~1.5N/mm2)ですむため、強度発現が困難な粘性土系の現地発生土でもほぼ100%活用することができます。
実際に粘性土系の現地発生土をINSEM-ダブルウォールの中詰材として使用した事例をご紹介します。
INSEMには粘性土に適したセメント系固化材を使用し、攪拌混合や転圧方法も工夫することで、現地発生土を一切持ち出すことなく100%活用することができました。
これにより、残土搬出がなくなり工事用車両を約90%削減、残土処分コストも不要となり、重力式コンクリート砂防堰堤に比べて約15%のコスト縮減が実現しました。
目次
ダブルウォール構造であることにより中詰材のINSEMは低強度(0.5~1.5N/mm2)ですむため、強度発現が困難な粘性土系の現地発生土でもほぼ100%活用することができます。
実際に粘性土系の現地発生土をINSEM-ダブルウォールの中詰材として使用した事例をご紹介します。
INSEMには粘性土に適したセメント系固化材を使用し、攪拌混合や転圧方法も工夫することで、現地発生土を一切持ち出すことなく100%活用することができました。
これにより、残土搬出がなくなり工事用車両を約90%削減、残土処分コストも不要となり、重力式コンクリート砂防堰堤に比べて約15%のコスト縮減が実現しました。
目次
現地発生土の性質
砂防堰堤建設予定地は一帯が粘性土であり、現地で採取した試料は砂礫質粘性土に分類され、細粒分が65.4%、自然含水比が37.5%と高く粘性を有していました。


試験施工とINSEM強度
現地発生土について室内配合試験をおこなった結果、セメント系固化材(特殊土用)の添加量を255kg/m3に決定。その後、含水比と強度の関係試験、試験施工を実施しました。
試験施工の供試体は圧縮強度試験をおこない、材齢7日で1.1N/mm2と配合目標強度を満足する結果を得られました。

施工時の工夫
現地発生土は粘土分が多いことから、固化材とむらなく一様に混ぜるためにミキシングバケットを使用しました。
最初は小刻みに細かく撹拌し固化材と土をなじませて、土がほぐれるまで粘土を切るように混合を繰り返し念入りに攪拌しました。
中詰作業では、粘性土で扱いにくい土のため、壁面際はINSEM材がしっかり行き渡っていることを確認したのち、ランマで丁寧に転圧していただきました。






