思川の支川南摩川の南摩ダム建設に伴い、様々な擁壁工事で共生の工法が使用されていますのでご紹介します。
独立行政法人思川開発建設所HPより(https://www.water.go.jp/kanto/omoigawa/kouji/index.htm)
目次
送水路TN坑口ヤード仮設道路に「ダブルウォール」
南摩ダム建設期間中のダムの上下流を往来するための工事用道路として使用する仮設道路にダブルウォールが採用されました。
擁壁部を取り巻く地上・地下排水、車両などの影響を考慮し、沢部区間の置換コンクリート地下排水管の設置、表面排水側溝を加えるなど細かな点まで配慮した設計をおこなっています。
ダブルウォール形式は、橋梁および桟橋形式に比べて建設コストを1/3~1/2に縮減できます。
また、ダブルウォールはコンクリート構造物とは違い、土砂以外は鉄が主材料ですので解体・撤去が容易で、撤去された鋼材は転用することもできますし、スクラップ処理し新たな資材として再生することもできます。
(令和4年2月撮影)
(令和3年6月撮影)
林道の水路横断ボックスカルバートの胸壁に「チサンウォール」
チサンウォールは施工性・経済性に優れることからボックスカルバートの胸壁に採用されています。
比較的薄い分割コンクリートパネルの既存工法が抱える建設中・建設後の安定上の諸問題を解消することができます。
(令和6年2月撮影)
(令和6年2月撮影)
曲線が多い付替林道工事に「LXウォール」
LXウォールはカーブに対応しやすいという特長があります。
底面アンカー梁材が重ならない内カーブの限界半径は、各壁高で違ってきますが、最も厳しいH=3.0mの場合でR=9mとなります。
また、掘削量を大幅に削減できることから、プレキャストコンクリート擁壁(PLC)や補強土工法と比べて直接工事費で20%〜30%程度経済的です。
(令和6年2月撮影)
(令和4年6月撮影)