チサンウォール工法の最新施工事例を紹介します。背後に急傾斜の岩盤が迫っており、擁壁の幅を狭くせざるを得ないなど厳しい条件での施工事例です。
チサンウォールは壁面材に大型積みブロック(厚さ35cm)を使用したアンカー式補強土壁工法で、NETISにも登録されております(KK-160008-VR)。 なお、ここに紹介の事例は、チサン(地産)の名称どおり、地元の工場あるいは近県で製作したブロック、まさに地産地消の地場産を使用しています。
番所砂防堰堤補強工事
発注者 | 国土交通省松本砂防事務所 |
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工事名 | 番所砂防堰堤補強工事 |
規 模 | Hmax=13.0m L=18.0m |

砂防堰堤上流側へのアクセス道路擁壁として施工されました。
地山傾斜が厳しく、擁壁下部は水衝部となることから基礎部を置換えコンクリートとしています。これによって、壁体幅を狭くすることができ、斜面の掘削を最小化しています。経済性だけでなく、厚さ35cmの壁面ブロックは自立性が高く、かみ合せや補強鉄筋により一体化しているため、壁際の締固め、壁面材の安全性、耐久性に優れることが評価され採用されています。
町道高根1号線
発注者 | 和歌山県高野町 |
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工事名 | 町道高根1号線道路災害復旧工事 |
規 模 | Hmax=6.0m,L=21.8m |
令和5年6月2日の豪雨及び台風2号により被災した町道高根1号線は、地域の生活道路でもあるため早急な復旧が望まれていました。
高根1号線被災状況
「前後の残っている道路を考慮したうえで山側の掘削も抑えたい」との要望から、擁壁下部は置換コンクリート、上部をチサンウォール構造としました。前後の道路との隔壁工(コンクリート)を同時進行で施工し、施工開始から約2カ月半での完成となりました。

久米建部線では既設道路を4.0mに拡幅するため、土羽下の擁壁構造物として施工されました。当初は大型ブロック積擁壁が計画されていましたが、コストが高く安定性にも課題があったことから、工法が見直されチサンウォールの採用となりました。
現場には4t車しか入ることができなかったため、部材の長さを最大4.0mに抑えて設計・搬入、ブロックは地元の岡山県内の工場で製作したものを使用しました。 施工開始から約1カ月で完成し、施工業者の方から「設置後の壁面ブロックは自立でき転圧時も動かないので気を遣わなくて良かった」との声がありました。
高根1号線被災状況


「前後の残っている道路を考慮したうえで山側の掘削も抑えたい」との要望から、擁壁下部は置換コンクリート、上部をチサンウォール構造としました。前後の道路との隔壁工(コンクリート)を同時進行で施工し、施工開始から約2カ月半での完成となりました。

県道久米建部線
発注者 | 岡山市北区役所 |
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工事名 | 県道久米建部線 |
規 模 | Hmax=5.3m L=55.5m |

久米建部線では既設道路を4.0mに拡幅するため、土羽下の擁壁構造物として施工されました。当初は大型ブロック積擁壁が計画されていましたが、コストが高く安定性にも課題があったことから、工法が見直されチサンウォールの採用となりました。
現場には4t車しか入ることができなかったため、部材の長さを最大4.0mに抑えて設計・搬入、ブロックは地元の岡山県内の工場で製作したものを使用しました。 施工開始から約1カ月で完成し、施工業者の方から「設置後の壁面ブロックは自立でき転圧時も動かないので気を遣わなくて良かった」との声がありました。