多角形EXセルへの礫の衝突を想定した重錘衝突試験を実施しました。
試験の結果から、多角形EXセルはセル単体だけでなく構造物全体として高い安定性があること、礫の衝突が繰り返し発生する現場においても高い耐久性を発揮することが確認できました。
中詰が大型土のうのケースも礫詰めのケースと同程度の耐久性を発揮したことから、用途・緊急性・現地の条件にあわせて中詰材を選択することができます。
床固工・護岸工および土留め工といった恒久施設としてだけでなく、大型土のうがちょうど収まる幅サイズにすることで堰堤・導流堤など幅広く緊急の応急対策工としての適用も可能です。
<実験方法>
試験体に重錘を振り子運動によって落下衝突させ、重錘衝突箇所での変状の程度やエキスパンドメタルの破断等がないか検証する。
<試験体>
中詰材が土のうのケースと礫詰めのケースの試験体を製作。礫材には割栗石50~150mmを使用。
<結果>
・礫径0.6m、流速5.0m/sの礫の衝突を想定した3.8kN衝突エネルギーを与えたところ、エキスパンドメタルに変形は生じたものの全てのケースにおいて破断は認められなかった。
・上記のエネルギーを同じ個所に4回衝突させたケースでもエキスパンドメタルに破断はなく、礫の抜け出しもなかった。(このケースにおける累積衝突エネルギーは15.2kNとなり、これは礫径0.96m、流速5.0m/sの衝突エネルギー(15.1kN)に相当。)
・重錘の衝突によるセル単体及び構造物全体の滑動はいずれのケースにおいても確認されなかった。
・中詰が大型土のうのケースも礫詰めのケースと同程度の耐久性を発揮していた。
この結果、実験で確認できた衝突エネルギー程度の落石や土石流荷重にも対応可能な構造であることが実証されました。