応急対策工からはじまり、そのあとは求めに応じての役どころとして活用する。
そんな合理的な適用のご提案。
VCCO型はシンプルな片持ちばり式で自在に取り外せることから、応急対策工としての役割を果たしたあとは、取り外して備蓄しておき、新たな場所に転用することができます。
令和6年7月に松山市緑町(松山城斜面)で発生した土砂災害の応急復旧には、国土交通省四国山地砂防事務所に備蓄されているVCCO型の支柱材(鋼管柱□ー350×350×9,長さ5.6m)34本が松山市に貸与され施工されています。緊急を要するなかで、迅速に現地の状況に対応できること、これまでにも土石流を捕捉した実績(表・裏表紙参照)のあること、自在に取り外せることから本復旧対策工事の際にアクセスを確保できることが採用の決め手となったようです。
上部からの流出土砂による二次災害を防ぎ、住民の皆様の安全・安心な生活環境を保全するため短期間で設置されています。まさに備蓄と転用を繰り返してReuseしていく代表的な実施事例となりました。今後も微力ながら災害復旧工事のお役に立てるよう努めてまいります。
応急対策工としてだけでなく、強靭なCFT柱にすることで、その役割は型にはまることなく臨機応変に対応できます。これまでも国土交通省立野ダムにおいて、放流管据付工事期間中の仮設流木対策に使用した鋼管柱を撤去して、本設の流木対策工に転用した事例があります。
応急対策工から流木捕捉工や土石流対策工に機能変更し恒久施設として活用する。そんな使い方も設計段階で事前に検討しておけば可能と考えます。
また、底版コンクリートをブロックに分割できるように現場打ちすることで鋼管柱だけでなく、底版コンクリートもブロックごとに撤去しそれを備蓄しておくことも可能に。すべてがReuseできることになれば、さらなる災害への迅速対応、そして大幅なコスト縮減が期待できます。循環型社会を形成していくうえで、その一翼を担うことができればというのが、VCCO型商品のささやかな願いであります。