1. HOME
  2. 技術ノート
  3. 技術ノートダブルウォール

ダブルウォール:脱炭素化に向けての牽引役

現地見学会のようす

再生資源である現地発生土の100%活用 脱炭素化に向けて今こそ原点回帰



 これまで40年有余にわたって、皆様方のご愛顧をいだたいてきたダブルウォール。現地発生土の100%活用に重点を置き、厳しい土石流荷重にも対応できる堰堤として実績を積み上げてきました。昨年には、JICAから技術協力の要請を受け、ダブルウォールの技術供与と現地での技術指導を行い、インドのウッタラカンド州の山地災害対策としてダブルウォール3基が施工されています。現地発生土を活用することで短期間に完成することができたことは、インド国内のみならず近隣国からの反響も大きく好評をいただいていると聞きます。今後も国内にとどまらず、開発途上地域の環境保全と災害防止対策に寄与していきたいと考えております。
 

INSEM-ダブルウォール比較



 一方国内では、砂防ソイルセメントを内部材としたINSEM堰堤が主流の中で、KYOSEIは中詰材を低強度のINSEMとすることで、INSEM創始の原点である現地発生土砂の100%活用を実践すべくご提案させていただいています。
 それが実現できるのも現地発生土の器量相応に、人口骨材etc.は一切使わなくてもすむ程度まで目標強度レベルを下げ、品質性能の足らざるところは、これまでのダブルウォール同様に、多段水平タイ材による外部拘束補強を援用、コトをシンプルに運ぶ道を選んでいるからこそです。これによって、いわゆるINSEM堰堤とは、下表の構造面の違いだけでなく、残土量や使用するセメント量、そしてCO2排出量も大きく違ってきます。

脱炭素化に寄与する排出量削減効果



 折しも令和6年6月に「公共工事の品質確保に関する法律等の一部を改正する法律」(改正品確法)が公布・施行されています。この条文には、資材・工法を採用するにあたっては、脱炭素化(温室効果ガスの削減)の実現に寄与することを旨として、削減程度も考慮することが定められています。これまで「資源有効利用促進法政省令」によって、再生資源である現地発生土の利用の促進・適正処理が定められていましたが、新たに温室効果ガスの排出量削減に寄与できる資材、工法の普及にもコミットしたことになります。 土石流荷重に対する強靭さを備えることはもとより、現地発生土の有効利用と環境保全を最重要課題として捉え、その原点を貫きながら進化し続けているINSEM-ダブルウォール。  
 引き続き皆様方のご愛顧を頂ければ幸いです。

お問い合わせ

共生の商品や工法についてはもちろん、その他のご質問やご相談を承ります。
一度お気軽にお問い合わせください。