KYOSEIが山に眠る間伐材の建設資材としての使いみちに取り組みはじめて約30年。
これまでコンクリート型枠や補強土擁壁の壁面工などに活用された間伐材は約22万㎥を超えています。
その間伐材の活用に続き、建設土木資材としての資源化に取り組んでいるのが竹材です。
竹は引張強度が大きく節を有することから、割竹にすることで盛土補強材として活用するに適した資材となるのです。それを利用し具体的に商品化したのがバンブー補強土壁「バンブーウォール」です。
長野県南信州地域振興局では、この「バンブーウォール」を採用することで全国に先駆けて竹材の普及対策及び地産地消の仕組みづくりに取り組まれています。
2023年には治山事業として既設ダムの袖部の保護及び上流へのアプローチ管理道を「バンブーウォール」にて施工。その後も敷設した竹補強材の腐朽状態や強度を継続して調査し、腐朽の発生もなく安定性に問題ないことが確認されています。さらに林野庁の林道整備事業に使用する計画も進んでおり、少しずつ補強土壁工法の1つとして認知されてきています。
「バンブーウォール」が各地域でかかえている竹林問題を解決するとともに、地域に新たなビジネスを生み出す仕組みづくりに役立つものと考えます。
地元のNPO法人と森林組合が主体となって、竹補強材の規格に見合う竹の伐採、加工に取り組んでもらい商品としての価値が付与できれば、地産地消による「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の形成が実現できるものと考えています。
地球環境問題が深刻化している今こそ、石油系樹脂からなる工業材料の補強材から自然素材である竹補強材への切り替えをできるところから進めていく。それが竹資源の循環利用と地域活性化につながり、地域課題解決の一助となる。そんな「無から有を生む」ことができることを願い、これからも普及に向けて精進努力を重ねる所存でございます。
「土石」「木」「竹」の自然素材。
それらを適材適所に適用した究極の循環型補強土壁工法「間伐バンブーウォール」の実現も視野に・・・・。