中間技術再生研究所

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1.逆T型CFT並列防護擁壁の開発

1.1 開発の経緯  

 逆T型CFT並列防護擁壁は、斜面表層の崩壊土砂とそれにともなう落石を
捕捉するための待受式擁壁です。
 土砂災害の危険性がある斜面に近接する道路際や民家裏などに設置する崩壊
土砂対策工です。崩壊土砂を受け止めるだけでなく中規模落石(数百キロ程度)
を捕捉できることから落石対策工としても適用できます。

 従来工法の待受式コンクリート擁壁では、崩壊土砂の衝撃力(移動の力)を
考慮して設計すると、擁壁断面が大きくなり用地の確保やコストがかかりすぎ
るという問題を抱え、実施が難しく対策が進まないという現状があります。
 逆T型CFT防護擁壁は、この課題を解決するために開発した新しいタイプの
崩壊土砂対策工です。

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               図-1.1 逆T型CFT並列防護擁壁

1.2 逆T型形状と角形CFT*の活用  

 本工法の構造の特徴は、従来の待受式コンクリート擁壁とは異なり、逆T型
形状を採用していること、また支柱に角形CFTを活用していることにあります。  
 
 防護柵をたて壁とした逆T型形状を採用することで、図-1.2に示すようにポ
ケットを前面に出すことができ、それによって壁高を低く抑えられる、また斜面
からの水平距離を長くとることができることから擁壁に作用する崩壊土砂の移動
の力を低減できるメリットがあります。

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                 図-1.2 逆T型形状によるメリット


 たて壁となる防護柵は、崩壊土砂の衝撃力と堆積土圧に対して安定した構造
であることはもちろん、落石に対しても捕捉できる強さを持っていることが
必要となります。
 それには、支柱に角形CFTを活用し、それを従来の防護柵とは異なり密に
配置すること、また支柱間の阻止面には土砂や礫を捕捉するに十分な剛性があり
部分的に破断しても伝線の心配のないエキスパンドメタルを使用することで、
必要な機能を満足できる構造を得ることができます。

 角形CFTは、従来の防護柵に使われているH形鋼に比べ断面性能に優れ(表-
1.1参照)、弱点である、ねじれ、横倒れが防止でき、耐荷力と吸収エネルギー
の向上が図れます。また、支柱を密に配置することで構造がシンプルとなり、
維持管理のための脱着機能が装備しやすくなるというメリットもあります。

                                        
C F T : Concrete Filled Steel Tube (コンクリート充填鋼管)


                   表-1.1支柱材の性能比較
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