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VCCO型堰堤の構造と安定性の考え方(2)

2. 4 考慮する設計外カ
 設計で考慮する荷重は、
  ー土石流時の流体力および堆砂圧
  ー礫・流木の衝撃力
となります。ただし、流木捕捉工として適用する場合は、土石流時に変わり
洪水時の静水圧が対象となります。

CFT2-02.jpg
                        図-2.2 設計外力
2. 5 CFT柱の安定性の考え方
1)CFT柱の配置と荷重分担
 CFT柱の配置は、図ー2.3のように単列に配置することを標準としています。
保全対象の直上流や、外力条件の厳しい箇所ではジグザグ2列配置にして
さらに冗長性の高い構造とすることも可能です。


CFT2-03.jpg 
                図-2.3 単列とジグザグ2列の概念図

 配置間隔は、水理模型実験の結果を受けて、土石流捕捉機能が十分発揮
できることが確認されている図-2.4の配置が基本となります。
 この配置であれば、土石流時の土石をほとんど捕捉することになります
ので、CFT柱の設計も1列目だけで設計対象荷重である土石流流体力と
堆砂圧をすべて受け持つとして安定計算を行い応力照査することになり
ます。

CFT2-04.jpg
                      図-2.4 平面配置

2)土石時の安定性照査
 図-2.2に示す土石流流体力および堆砂の設計荷重をすべてCFT片持ち梁
に作用させ、発生応力が許容応力内となるように設計します。その際、
充填コンクリートを無視した鋼管のみの弾性断面係数を使って応力照査
しますので、設計対象荷重を繰り返し受けても破損することのない設計
といえるでしょう。
 また、ジグザグ2列配置の場合であれば、仮に想定を超える荷重が作用
し万がいち一列目が損壊したとしても、2列目が健全な状態にあるため
土石流捕捉機能は維持できることになります。

3)礫あるいは流木の衝突時に対する安定性照査
 鋼製砂防便覧p.48にCFT部材のたわみ変形角が2度未満であれば、健全
と判定でき補修の必要がないとの基準が示されていることから、この値を
許容たわみ変形角(許容塑性回転角)と設定し、2度に至るまでのたわみ
変形による吸収エネルギーEpが衝突エネルギーErよりも大きいかどうか
で照査します(図-2.5参照)。
 この吸収エネルギーは、角形鋼管およびコンクリートの合成断面が終局
状態となる図-2.6に示す応力分布を仮定して求まる全塑性曲げモーメント
Muとたわみ変形角θを用いて算定します。

Ep=Mu・tanθ (θ=2°とする) > Er

 CFT2-05.jpg 
      図-2.5 曲げモーメントと回転角          図-2.6 角形CFTの断面応力分布

なお、CFT構造であれば、衝突に対してへこみ変形を生じさせない構造と
なるため断面性能の低下がなく、繰り返しの衝突に対する機能低下の心配
がなくなります。

2. 6 底版コンクリートの安定性の考え方
1)基礎部構造
 基礎の底版コンクリートは、CFT柱を建て込むための鞘管を埋め込む
ことで着脱可能としているだけでなく、その鞘管を支えるようにしてアン
カー鉄筋を配置することで、外側のコンクリートに圧縮力の負担をかけ
ない安全性の高い構造としています。これによって、柱基部での作用力
による鞘管外側のコンクリートのパンチング破壊を防ぐことができます。

2)基礎部の安定
 2.4節「考慮する設計外力」に対して、2.3節「基礎構造に要求される
性能」を満足するように、許容応力度法にて照査します。具体的には、
埋め込んだCFT柱からの力を鞘管を介して図-2.7に示すように分担すると
して、埋め込み部の上部コンクリートに作用する支圧をすべてアンカー
鉄筋で負担するように設計します。 すべての荷重ケースにおいて、アン
カー鉄筋の引張応力度とコンクリートの付着応力度、そして下部コンク
リートの支圧応力度が許容応力度内となるように、部材のサイズと埋め
込み長さを決定していくことになります。
CFT2-06.jpg
        図-2.7 基礎部の安定性の考え方

3)礫衝突時の底版コンクリートの安定
 礫がCFT柱の下部に衝突した場合は、たわみ変形でエネルギーを吸収
することができないため、その運動エネルギーは底版コンクリートに持ち
込まれることになります。その持ち込まれた運動エネルギーは支持地盤
の変形エネルギー、底版コンクリートの回転運動エネルギー、滑動エネ
ルギーなどに変換されることになります。また、その多くは底版コンク
リートの形状、大きさからいって滑動エネルギーに変換されるものと
いえます。その滑動エネルギーもわずかに地盤が塑性変形するだけで
吸収されるため、底版コンクリートの安定に影響はないといえます。