中間技術再生研究所

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VCCO型砂防堰堤

1.VCCO型堰堤の開発
 新たに開発したVCCO型*1は、格子形(CBBO型)か横長形(HBBO型)
であった従来の透過型断面を縦長形に変更したものです。それによって、
扶壁コンクリートは無用になり、それに代わる支えを底版コンクリートが
引き受けている逆T型の構造形式となっています。
 縦長形にするとその出来形は片持ち梁形式となるため、何の工夫もなけ
ればその鋼管サイズはHBBO型の横ビームよりも大きくなります。
 この問題も最も適した材料(構造)を選択すること、具体的には円形鋼管
から角形鋼管に、コンクリート充填のCFT*2構造とすることによって解消
することができ、大幅なコスト縮減と工期短縮を実現することができました。

vcco_img.jpg

*1 VCCO型はNETIS登録技術「Zスリット型堰堤工法 KT-190075-A」
     
の商品名です。
*2 CFT:Concrete Filled Tube(コンクリート充填鋼管)

 
               表-1.1 既成透過型との構造比較
vcco_01.jpg

 そもそも、どうして円形鋼管ではなく角形鋼管が適しているのか。
 また、コンクリートを充填するとどんなメリットがあるのかについて
少し説明します。

1.1 なぜ円形よりも角形
 河川内に設置されている橋脚や街中で見る電柱・標識柱など単柱の
多くは円形です。既存の単柱式流木捕捉工も円形鋼管が使われています。
そのため、見慣れている円形鋼管の方が機能は優れていると思いがち
ですが、果たしてそうでしょうか。
 具体的にスリット型堰堤に適用する鋼管を対象に比較してみると、
多くの点で円形よりも角形の方が土石流・流木捕捉工に適している
ことがわかります。

                表-1.2 円形鋼管 VS 角形鋼管
cft_06.jpg


1.2 CFT化のメリット
 CFT構造の特徴は、鋼管とコンクリートの相互拘束効果により、中空鋼管
に比べて曲げ剛性や軸剛性が増加することと、局部座屈が抑えられ靭性(粘り
強さ)が高められることで、塑性化領域での耐力と変形性能が向上することに
あります。
これによって、より大きな衝撃エネルギーにも対応でき、結果として中空
鋼管よりも使用鋼管サイズを小さくできるというメリットがあります。

 CFT部材の衝撃性能に関する既往研究によれば、終局限界に至るまでの吸収
エネルギーは中空鋼管の3倍以上あることが確認されています。
下図はこのことを模式的に表したものです。

・コンクリートによる鋼管の座屈防止
・圧縮・曲げに対する耐力向上
・塑性領域での変形性能向上
        
cft_03.jpg 
               図-1.1 角形CFT柱の挙動
日本建築学会「コンクリート充填鋼管構造設計ガイドブック」2012 p13より引用

 また、CFT構造であれば、衝突に対してへこみ変形を生じさせない構造となる
ため断面性能の低下がなく、繰り返しの衝突に対しても耐力低下の心配がなくなり
ます。
 これによって、流木だけでなく、より厳しい土石流流体力や礫衝突にも対応でき
ることになり、様々な用途に適用が可能となります。