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6.フランジ継手に代わる鞘管継手

Z—スリットは、破壊につながるフランジ継手を一切使わないことで、塑性変形能力の
高い構造を目指しています。しかし、開口高が高くなると、資材運搬上の関係から鋼管
部材を上下につなぐ必要があります。また、除石作業を行う際に引き抜き撤去をするた
めには、その上下鋼管を分離できるようにしておく必要があります。

 それには、図-12に示すように、ひとまわり直径の大きい下部鋼管を鞘管として、
それに上部鋼管を差し込んで接合する方法を採用しております。その上下鋼管の隙間に
は砂を充填する、そうすることで上下鋼管を一体化させるだけでなく、着脱時には簡単
に分離できるよう工夫をしております。その施工方法は、あらかじめ下部鋼管の天端ま
で砂を充填させておき、そこに上部鋼管を設置して振動を与えながら押し込む方法です。

 継手部(差し込み部)の長さは、上部鋼管直径の2倍程度をとれば、構造安定性に問
題ないことがFEM解析によって確認できています。また、実際の鋼管を使っての施工
試験と衝突試験を行う予定にしておりますので、結果については改めて報告いたします。

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                        図ー12 鞘管継手構造の概要




 参考までに、フランジ継手形式と鞘管形式の2タイプについて、継手性能(変形吸収
能力)をFEM解析により検証した結果を以下に示します。

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                       図ー13 継手解析モデル




―解析結果
 図—14は高力ボルト破断荷重200kN時における変形と応力状態です。また、図—15
は荷重と変位(はり材の変位のみでへこみ変形は含まない)の関係を示したものです。
フランジ継手モデルは80mm程度の変位量で高力ボルトが破断するのに対し、鞘管モ
デルは鋼管の変形特性を維持しております。鋼管骨組み構造に多用されていますフラン
ジ継手との強さの違いは、これらの結果をみれば明白で、鞘管継手が礫衝突においても
安全性の高い構造であるといえます。

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                         図ー14 解析結果


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                    図ー15 鋼管上端における荷重ー変位曲線


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