中間技術再生研究所

株式会社共生 > 中間技術再生研究所 > 5.鋼管単柱式構造の機能・構造部材

5.鋼管単柱式構造の機能・構造部材

土石流対策指針(土対針)の解説(2.1.4.2)には、透過部の構造について、
「土石流を捕捉する目的で配置される部材(機能部材)のうち構造物の形状を保持する
ための部材(構造部材)に相当しない場合には、土石流の石礫を捕捉出来れば目的を達
成するため、塑性変形を許容することが出来る。」
と、明記されています。
 このことは、土石流を捕捉する目的で配置される部材のうちの構造部材に相当するも
のについては、塑性変形は許容されない。と読み取ることもできます。

 一方、鋼製砂防構造物便覧には、構造部材であっても機能部材を兼用する場合もある
としていること、構造部材であっても巨礫の衝突に対しては塑性変形を許容できること
が明記されています。
 このように、土対針に書かれている機能・構造部材の定義の解釈は、必ずしも統一さ
れておらず、人によって意見も異なるようです。

 そこで、Z-スリットの鋼管柱はどう捉えたらよいか、これについて水山先生にご意見
をうかがったところ、次のように明言されております。
「鋼管柱は構造部材であり、機能部材も兼用するものと捉えるべきである。鋼管柱は堰
堤としての本体構造であり、それは構造部材で形成されていると考えるべきである。」

 鋼管柱は本体構造であり、土石流の外力に対しては、図—10に示すように構造部材の
設計方法に則って設計しているので構造体の安全性が確保できていること、それをジグ
ザグに2列に配置したことで土石流を確実に捕捉できることから、機能部材兼用の構造
部材として定義してよいようです。

 鋼管柱の純間隔は、1.0D95(D95:最大礫径)程度であれば確実に捕捉できることを
実験によって検証しております(図ー11参照)。2列配置とするのは、土石流を確実に
捕捉すること、万が一設計外力を超えるような外力が作用して1列目が傾斜しても、
それと同じ耐力をもつ下流側の鋼管柱列によって捕捉機能を保てるようにすることであ
り、まさに土対針に明記されているところの、
「一部の部材が破損したとしても砂防えん堤全体が崩壊につながらないよう、フェール
セーフの観点から、できるだけ冗長性(リダンダンシー)の高い構造とする」
との主旨に沿った構造といえます。

Z_18.png

               図ー10 鋼管柱の安定性の考え方


Z_19.png Z_20.png

                                 図ー11 鋼管柱の基本配置


最新覚え書きノート Z-スリット型砂防堰堤 6.フランジ継手に代わるさや管継手