中間技術再生研究所

株式会社共生 > 中間技術再生研究所 > 3.透過型のあるべき構造

3.透過型のあるべき構造

前章では、破損事例にもとづき、フランジ継手が2重・3重に安全性を下げているこ
とを述べましたが、このことは、フランジ継手の強度を大きくしただけでは問題の解決
にはならないわけで、礫の直撃にさらされる鋼管部材には<フランジ継手>は一切使わ
ない構造を目指すことが、透過型のあるべき構造を考える上で重要であることを示唆し
ているといえます。

 前章の写真のように、衝撃力に脆弱な継手を用いて複雑な骨組構造にしたことで、か
えって粘り強さに欠ける構造物になっているといえるのではないでしょうか。

 鋼管は脆性破壊につながる要因を解決してあれば、じん性に富んだエネルギー吸収性
能の高い部材です。その特徴を活かせば、骨組構造にせずとも、単柱形式のいたってシ
ンプルな構造も考えられます。次章で詳しく紹介しますが、実際に砂防以外の分野では、
衝撃を受け止める構造物として用いられています。透過型砂防堰堤においても、このよ
うな鋼管単柱形式が考えられるのではないでしょうか。それを実現したのが今回開発し
た「Z—スリット型堰堤」です。図—5は、そのイメージ図です。

Z_10.png
             図ー5 Z-スリット型堰堤の概念図


 鋼管をジグザグに配置し、礫の衝突エネルギーを柱の変形によって吸収させて、土石
流を確実に捕捉するという、いたって単純な構造物です。単純ですが、先に述べたフラ
ンジ継手を一切使用しない、柱材は取り外しが容易にできるなど、既往の鋼管骨組構造
の問題を解決した構造となっています。まさに、「Simple is Best」です。

最新覚え書きノート Z-スリット型砂防堰堤4.異種分野の同種技術<鋼管単柱式構造>