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チサンウォール 2 高速道路と寒冷地における変状事例

チサンウォール

2.高速道路と寒冷地における変状事例

 

2.1 NEXCOの高速道路での変状事例報告

 

 

フランスからの導入後、1972年に初めて高速道路に採用されてからは、

主に道路盛土の擁壁への適用が急速に増えてきました。

施工箇所が増える一方で、変状や損傷も多く報告されるようになり、

施工時と完成後における問題が露呈されてきました。<参考資料—2>

 

広く知られるきっかけとなったのが、
1)NEXCOの高速道路での変状事例報告
2)寒冷地北海道での凍上による変状事例報告
です。いずれも約10年前に変状調査が実施され報告されています。

 

1)の報告では、
・基礎地盤の強度不足による基礎の転倒とすべり破壊
・盛土材の沈下、局所沈下による壁面のはらみ出しや前倒れ
・降雨によって壁前面部や基礎部が洗掘された壁面材の局所的変形
が具体例として挙げられています。

 

<基礎工2010.2VOL38 高速道路における補強土壁への期待と課題>からの抜粋

 

 

 

 

 

2.2 北海道での凍上による変状事例報告

 

 

2)の報告では、凍結土の融解にともなう

・施工中または施工後に補強土壁の壁面のはらみ出しや前倒れ

・笠コンクリートや防護柵基礎の倒れ(傾斜)

などの事例が多くみられたとあります。

 

<基礎工2010.2VOL38 寒冷地における補強土壁工法の信頼性>からの抜粋
chisan_2-2.jpg

変状のほとんどは、盛土の締固め、排水、基礎地盤の

安定対処に関する調査・ 施工段階での問題が原因とされ、

この調査結果を受けてNEXCOや北海道庁からガイドラインが発表されました。

そこには、補強土壁を適用するにあたっての厳しい制限や留意点が、

明記されるようになりました。

しかし、このときも、変状を引き起こしている壁面工の構造的な要因には全く触れられず、

その重要性に着目されることはありませんでした。