舶来仕込みの守旧の壁に〈地産地消〉で差別化を
地産ブロックアンカーウォール
1.1 高い参入障壁も今は昔
1.2 高止まりしているスキンの実勢価格
1.3 面状パネル・アキレス腱の顕在化
2.1 ○適ブロックの形状種別
2.2 施工時組立作業性
2.3 補強材取付部ディテール
2.4 ○適ブロックの実勢価格
3.1 設計計算法
3.2 施工手順
3.3 コストパフォーマンス
舶来仕込みの守旧の壁に〈地産地消〉で差別化を
1.1 高い参入障壁も今は昔
1.2 高止まりしているスキンの実勢価格
1.3 面状パネル・アキレス腱の顕在化
2.1 ○適ブロックの形状種別
2.2 施工時組立作業性
2.3 補強材取付部ディテール
2.4 ○適ブロックの実勢価格
3.1 設計計算法
3.2 施工手順
3.3 コストパフォーマンス
下掲のコピーは、20年前のKYOSEI会社案内の記事の
中から掘り出してきたものです。当時は旧ソ連の体制
崩壊につづく新生ロシヤの胎動期で、ペレストロイカ
(改革)やグラスノスチ(情報公開)といった耳慣れ
ないロシヤ語が、マスコミを賑わせておりました。
そんな中にあって、わがKYOSEIも21世紀に向けて風呂
敷だけは拡げていたのですが、結果は見てのとおりの
始末でした。今回のあらためての問題提起は、いまの
この変転めまぐるしい時代に、20年もの長年月をかけ
てもモノに出来なかった相手に、未だ未練がましく
性懲りもなく、捲土重来を期しての再挑戦になります。
何卒関係各位には、これまで同様の温かいご指導と
ご鞭撻を賜りたく、重ねてよろしくお願い申し上げる
次第でございます。
3.1 設計計算法
このたびの地産ブロックアンカーウォール工法は、壁面材と
アンカー材とをタイバーで連結することによって、直壁盛土構造物
を構築しているという意味で、多数アンカー式工法やTUSS工法と
同じ系譜に属するものと考えることができます。したがって
設計計算法としては、これら両者のいずれによってもよいのですが、
ここでは、公的機関(財)土木研究センターによって設計施工
マニュアルが制定されており、かつ全国的にみても普及度が高い
〈多数アンカー式〉工法のそれに準拠するものとしました。
3.2 施工要領
施工手順も、基本的には多数アンカー式のそれに準ずるもの
とします。ただし、π型ブロックの場合には、その背面に仕切
壁としてのエキスパンドメタル(吸出し防止マットつき)の取
付工が、壁面材設置後の作業工程に内挿されることになります。
本工法と多数アンカー式のそれとの施工面における基本的な相違
は、ブロックとパネルの自立安定性の有る無しとそれに基因する大型
締固め機械の壁際接近許容度の大小ということになりましょうか。
なお、施工手間の細部では、ブロック相互間の鉛直・水平目地材や、
鉛直目地背面に対する透水防砂材を割愛できるようになります。
3.3 コストパフォーマンス
コストの過半を占める壁面パネルに、汎用の地場産大型積み
ブロックをほとんど素のままで活用しているということで、既成の
コンクリートスキン補強土壁、就中、テールアルメや多数アンカー
に対する経済的優位性については、あらためて言及するまでも
ないと思います(表-1参照)。
2.1 ○適ブロックの形状種別
補強土壁・壁面材として用いる汎用大型積みブロックは、
次の4条件を充たすものの中から選ぶものとしました;
ⅰ)直立状態で自立できること
ⅱ)壁面積0.5m2/ヶ以上
ⅲ)控長0.35m以上
ⅳ)実勢価格12,000円/m3以下
上記の4条件をクリヤできる大型積みブロックの種類
としては、π型ブロック(図-2.1a)がもっとも多く、
次いでヘイベックに代表される直方体ブロック(図-2.1b)、
その他のものとしては製品名ネオロックの空胴ブロック
(図-2.1c)がありました。
全国的に最も普及しているのは、高さ0.80m、巾1.25m、
控長0.35mのπ型ブロックです。これは旧北陸地方建設局、
新潟県土木部、新潟県建設業協会、新潟県土木コンクリート
ブロック協同組合が、協同で開発されたものであります。
2.2 施工時組立~締固め作業性
元来、大型積みブロックは施工時の自立性がウリの製品
です。当然のことながら、その組立作業性はあえて贅言を
費やすまでもなく、薄い平面パネル状のコンクリートスキン
の比ではありません。また、上下ブロック同士を連結し、
その一体化を図ることによって、壁際まで大型締固め機械
による転圧が可能となり(図-2.2)、文字通り大型積みブ
ロックを剛体として活用することによって、強固な盛土体
を造ることができます。
2.3 補強材取付部ディテール
図-2.3は、大型積みブロックの種別ごとに補強材取付部
のディテールを示したものです。いずれの場合も、壁面材
と補強材の取付部は固定せず、盛土材の沈下等に備えて、
下方にズレ自由の仕組みを採り入れております。
なお、π型ブロックの場合には、背面盛土の締固め作業
をより厳密により効率的に行なうため、ブロック背面にエ
キスパンドメタルによる仕切壁を設けております。この場
合、この内壁とπ型ブロックの間に残る空胴部への砕石等
による中詰は無用とします。このπ型ブロックの役割は、
自身では支柱を欠くエキスパンドメタル背面の盛土工に万
全を期すための、いわば残存型わく支保工だと見做すこと
ができます。そのように考えれば、空胴部への砕石中詰割
愛については、容易にご納得いただけるのではないでしょうか。
ちなみに、空胴ブロックの場合も同様に、中詰工は省略
しております。
2.4 ○適ブロックの実勢価格etc.
直近の〈積算資料〉や〈建設物価〉によれば、大型積み
ブロックの内、π型ブロックの実勢価格は、地域によって
それなりの差はありますが、おおむね5,500~8,500円/m2
の間におちついているようであります。もっともπ型ブロック
の場合には、補強土壁・壁面材としての利用に際して、
用心鉄筋や連結金具、エキスパンドメタル仕切壁etc.が付加
されますので、設計積算に用いる実勢価格としては、上述
の数字に若干上積みされることになりますのでお含みおき
ください。一方、ヘイベック系の直方体ブロックの場合は、
おおむね、9,000~12,000円/m2になっております。なお、
ヘイベックの場合は、素のままで補強土壁面材として活用
できるところが、π型ブロックにはみられない特長です
(表-1参照)。
※図表についてはPDFファイルのリンクを貼っていますので
お手数ですが文字をクリックしてご参照ください。
1.1 高い参入障壁も今は昔
テールアルメも多数アンカーも、それぞれ専用のマニュア
ルが完璧に近い形で整備されています。それが、結果的に
は、高い参入障壁のはたらきをして、一種の技術的鎖国状
態が醸成されていたように思われます。そのために、舶来
技術の導入効果で一見先進的であるかにみえて、開放的で
競争自由の他分野とくらべたときに、意外に立ちおくれてい
る感じがしないでもありません。昨今漸くにして、これまで
寡占状態がつづいてきた、このコンクリスキン分野にも、
ジオテキ補強土壁専門メーカーからの参入が見られる
ようになり、少しは賑わしくなってきました(表-1参照)。
1.2 高止まりしているコンクリートスキンの実勢価格
テールアルメも多数アンカーも、コンクリート壁面パネル
に共通しているのは、その実勢価格が、ジオテキ系鋼製壁面材
にくらべると、2倍前後の高水準で推移していること。
これは、ひとつには、コンクリートの方が鋼製より壁面剛性
にすぐれることから、より高品質の補強土壁体が得られる
という評価が、受入れられている証左であるといえます。
いまひとつは、リーダー格のテールアルメの出自が舶来の
技術導入というせいもあって、当初の販売価格が高目に設定
されたままで高止まりし、後発メーカーもまたそれに便乗する
形で今に至っているのではないかと思われます。
1.3 面状パネル・アキレス腱の顕在化
テールアルメも多数アンカーも、当初から一貫して面状
パネルで通されており、その上、昨今の価格競争のあおりも
あって、ぎりぎりまでスリム化されてきています。いきおい、
そのしわ寄せが壁面工の組立作業性に及ぶことになります
ので、それを多少なりとも軽減しようとすれば、その分、
構造ディテールの複雑化はさけられません。
一方またよく知られているように、壁面パネルと水平補強材
の連結部は固定せず、上下方向にスライド機能をもたせること
が望まれます。しかし、スリム化されたうすい版厚で、その
上投入コストまできびしく制限されては、実用上は無理な相談
のようです。結果として、背後の補強土壁体の施工後における
沈下量が許容範囲をこえるような場合は、コンクリートパネル
壁面に、補強材取付部を起点とするクモの巣状のクラック
が走ったり、異常時にはスキンが補強材からはずれるという
事態を招くこともないとはいえないようであります。
表-1 現状における主要コンクリートスキン補強土壁一覧
1)補強材を除く壁面材関連のすべての材料を対象としたものです。
2)壁面材と補強材の連結部は固定されず、盛土体の沈下に追随できる
ような仕掛けが施されている。
3)既製品の中では唯一アデムウォールのみ、壁面材がパネルではなく
ブロック。しかし、補強材がジオグリッドのため、π型ブロックの
形状特性を活かしきれず、壁面ブロックと補強材をつなぐのに、
二重壁構造の採用や砕石中詰工など、苦心された跡が垣間見えます。
4)ジオパネル、テンサーVIGも補強材はジオグリッド。平面
パネルとジオグリッド補強材との連結は、それ自体は単純ですが、
盛土のまき出し転圧にさきだって、ジオグリッド補強材を緊張状態
に保っておくのが難しく、補強土壁工法において最も肝腎な壁際
の締固めが泣き所になるようです。
5)“土木工事積算基準マニュアル(平成22年版),財団法人
建設物価調査会”それぞれp.270~p.274から。
わが国における補強土壁工法の草分けと自他とも
に認めるところのテールアルメや多数アンカーは、
そのせいもあって、これまではいささか別格扱い
されすぎてきたきらいがあったのではないでしょうか。
よく知られているように、補強土壁のからくりの源は
水平補強材にあって、その内なる補強材の外側は、
只の鉄筋コンクリートの壁にしかすぎません。
おまけにコンクリートスキンと称されるぐらいですから、
これ以上はとてもというぐらいまで薄く仕上げられて
おります。いきおい、そのしわよせが補強材と
スキンの連結部ディテールにおよぶことになるのは、
いわば必然の成行ですが、それはそれなりに
織込済とされている事柄でありました。
それはともかく、その辺のディテールがこれまで
実用上特に問題視されることはなく、今日に至って
おりました。この問題が顕在化し始めたのは、ここ数年
このかた各処で頻発気味の大地震による被災事例
からでしょうか。コトは補強土壁の根幹にかかわるもの
でないとはいえ、明らかにコンクリートスキンの薄さ
に起因する連結部の弱点が引き金となったほころびが、
少なからず見られるようであります。
これまでの、どちらかといえば聖域化された中での
安全神話にかげりが見えはじめてきたのも、
争えない事実です。
ところで、わが国のコンクリート2次製品業界が、
かつての高度成長時代で培ってきた大型積みブロック
関連の技術ノーハウは、勿論、単純な平面パネル
のそれの比ではなく、この種の用途のものであれば、
出来合いのブロックの中から即戦力を選りどり見どり
で物色できるぐらいに、豊富に品揃えされております。
平面パネルが分厚いブロックに置換えられること
によって、補強材取付部のディテールは考えやすくなり、
問題をとりまく状況は大幅に改善されます。
もっともその一方で、単位壁面積あたりの体積重量
は増えることになりますが、別誂えスキンの実勢単価
と汎用ブロックのそれとの間には大差があり、
結果としての壁面材の実勢価格はむしろ大幅に下がる
ことになって、目下平面パネルが直面している難題を
すべて一挙に解消させることができます。
この小冊子は、補強土壁工法に用いる壁面材として、
特定メーカーブランドの別誂え平面パネルの代りに、
既成の地場産大型積みブロックの登用可能性について
検討したものであります。コトの成否には理外の理
が働くこともあり、予断は許されませんが、
目論見どおりにコトが運んだ暁には、微力ながら
地産地消推進の一翼を担えるよう、精進努力を重ねる
所存でございます。何卒、関係各位にはこれまで同
様のご指導とご愛顧を賜りたく、よろしくお願い申
しあげます。
新聞の書評がきっかけで、セイゴオさんの<多読術>
をネットルートで購入。しかし、タイトルの○○術に違和感をおぼえて、
すぐには手にとる気になれず、しばらくはツンドク状態でしたが、
ついこの間の土日、時間つなぎにパラパラとめくっていたら、
いつのまにかひきこまれて、一気に通読してしまいました。
セイゴオさんには、10年近く前、わがKYOSEIの会社案内の
制作に際して、山田美也子女史がとりもってくれたご縁で、
貴重なご寄稿をいただいたことがありました。今回あらためて、
そのKYOSEI00/01を読み直してみて、当時セイゴオさんがご自分にとって、
もっとも大切でもっとも興味があるのは<関係の発見>であり、
<組合わせの発見>であって、それを広い意味で<編集>と呼んでいる
のだといわれていたことが、このたびの<多読術>のおかげで、
ストンと腑におちる形でわかったような気がしてきました。
その中で特に、<目からウロコ>的にココロに刻みこまれたと思われる
言葉のいくつかを、あらためて記憶にとどめるために下記に
あげてみました。
―本はノートである
―読書とは、読み書きである
―読書は一種のコラボレーションである
―読書は他者との交際である
―……
セイゴオ先生の伝にならって、読書は編集であり、また他者との
交際であると考えれば、お互いの人生諸事百般はすべてみな
<編集>仕事だととらえることもでき、当然ながら、わがKYOSEIの
商品開発や営業ビジネスも、そのような視点からながめれば、
<新しい関係の発見>や<新しい組合わせの発見>を追及していく
ことに尽きるのではないかと思う次第。
さきの
間伐材取替を目玉とした開発コンセプト180°転換のはなしを、
わがKYOSEIの中堅どころのメンバーにしてみたところ、
恥ずかしながらナント灯台下暗しで、
訳知り風のメインテナンスフリー自家中毒症候群
にハマっている連中が少なからずいそうな気配には、
唖然とさせられました。これには情けないやら、
腹立たしいやら、正直なところやり場のない気持ちに
させられました。
とはいえ、今更この期におよんで百年河清を待つ
などと悠長にかまえてはおれず、とりあえずは、
われらがマゴ子の代の20X9年までタイムスリップ
させてもらい、そこから訳知り風の面々に
下掲のようなメッセージを流して<目からウロコ>
がおちてくれるのを期待することにしました。
単刀直入で恐縮ですが、いかにCO2削減とはいえ、
良質の間伐材まで、補助金や排出量取引頼みでいきなり
チップ燃料化するのは、情においてもしのびがたく、
市井の一介の土木屋としても、何とか一役買える
策はないものだろうかと思う次第。
チップ化するのは、間伐材の定年後として、
それまでの間は、れっきとした構造部材として、
土木工作物の一翼を担ってもらえるような手立て
を模索してみたい。
要は新旧の取替えが安全かつスムースにやれる
仕組みを考えればよいだけのこと。間伐材を
主要構造部材として登用する分、鋼材に対する
依存度は減り、その分コストも安くできる。
そこで浮かせた分を取替費用にあてる。
皮算用で、たとえば2回分相当の費用を浮かせること
ができれば、間伐材の定年を15才として、耐用年数
45年の工作物が造れるということになります。
問題は果たして、このように目算どおりに
コトが運ぶかどうか。ケーススタディの結果
については次の機会に……。
このSazanami Blogは昨年5月以来かれこれ1年以上になりますが、
またしても手前勝手に開店休業させていただいておりました。
すでに第3コーナーは疾うに過ぎ、第4コーナーなかばであえい
でいる老書生ではありますが、やる気だけはまだ7掛ぐらいは
残っているものと自負しており。そんなところに偶々先日、
<勝間和代の人生を変えるコトバ>が舞い込んできて、
それなりの仕組みさえ工夫できれば、このBlogも再々スタート
ができるのではないかと思えるようになってきました。
そこで思いついた仕組みは、折々のブログの中味を、目下
進行中の開発ないしは改良途上のナマのKYOSEI商品に
関連する具体的な事柄に限定すること。そして、その時々に
脳中に去来するとりとめのない断片を、たった一行でも
いいから脈絡などは一切気にせず、オープンにしておとし
こんでいくこと。
その舞台は建設ワールドのラストワンマイルのインターフェイス
です。縁あって、このSazanami Blogの今後の成行に多少なりとも
ご関心やご興味をおもちいただけた折には、何卒ご助言や
関連情報のご教示をいただきたく、よろしくお願い申上げます。