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商品のかたち


古くて新しい
擁壁構造物の
イノベーション(*)
それにかかわる
一切合財のサービス。
それが KYOSEI 商品。


メーカーとは、交換。
それを介して
ユーザーの皆様には
問題解決のサービスを贈与。
交換を贈与に変える
手品のタネはイノベーション。



自然が人間社会との接点で、みずからの力をあらわにするときの形のひとつが、 物理的外力としての水平力。その水平外力の猛威から人間社会を守ってくれているのが 一連の擁壁構造物です。大はダムから小は柵工、ふとん篭の類にいたるまでさまざまですが、KYOSEIはそのそれぞれの分野において、皆様方が日常直面されている今日的問題の解決のために、 少しでもお役に立てるよう、自称オンリーワン商品による独自のサービスの展開を心がけております。


通常の擁壁構造物は、まず第一に当然のことながら所要の機能を充足するものであること、第二に寿命 相応にコストが適切であること、そして第三にはそれなりに美形であることがもとめられます。 もっとも美しさといっても、必ずしもそれ自体の造形が生み出すものばかりとはかぎらず、周囲の 自然環境への融けこみかたいかんによっても左右されるもの。前者の造形だけで美を競えるような 擁壁構造物はといえば、アーチダムやバットレスダムなど、ごく一部の特殊なものに限られるのでは ないでしょうか。残りの大半の構造物は、後者の自然環境との調和の世界に美を求めるしかないといっても過言ではないでしょう。


とすれば周囲の自然構成素材と同じ出自の《土石の文化》や《木の文化》が 《コンクリートや鉄などの工業材料を主体とする文化》に伍して、擁壁構造物の分野でもっと見直されるように なってもよいのではないかと思います。たしかに《土石の文化》や《木の文化》単独では多くを期待できませんが、 足らざるところは《工業材料の文化》で補完し、両者の融合を図るようにすれば十分実用に供せる商品が生み出せるはずです。 KYOSEIが擁壁構造物関連分野で目指している オンリーワン商品は、すべてこの範ちゅうに入ります。


コンクリート以外の材料で構成されるこの種の複合商品の宿命として、とかく問題にされがちなのが耐用年数です。 もちろん耐用年数は長いにこしたことはありませんが、それはあくまでもコストとの兼合い。コスト相応ないしはそれ以上の寿命を見込める場合には、 妥協の余地が見出せるのではないでしょうか。エンジニアリングの世界で常に心がけるべきは not best, but adequateであるともいわれるし、それに現代のように技術革新のスピードが速いときには、 あまり寿命が長すぎてもかえって無用の長物化するおそれあり、いたずらに長命を誇るものばかりが好ましいとはいえず。 今後は、おそまきながらでも《コンクリートの文化》の役割分担をゾルレンだけにしぼりこんでいただき、 《コンクリートの文化》の氾濫に少しでも歯止めをかけることができればというのが、一連のKYOSEI商品のささやかな願いであります。

(*)イノベーション
ジョセフ・アロイス・シュンペーター(1883〜1950)はオーストリアの経済学者である。経済学の巨人であったばかりではなく、彼は蔵相として現実の経済との対決をした実務の人でもあった。その彼が一生追い続けた夢が「イノベーション」というコンセプトであった。 不幸なことにイノベーションは日本では「技術革新」と訳された。大変な誤訳である。この訳によって日本のイノベーションのイメージは矮小化(わいしょうか)されることになった。 イノベーションとは、あらゆる新しき「イノベーティブ」な活動をいう。ちなみに、中国語の訳は「創新」である。新しき創造的活動が人類を進歩させる、と彼は説いたのだ。技術的創造は、その一つにすぎない。 このような事大主義的な訳をするから、日本では何かすさまじい技術を開発しないと物事は始まらないような錯覚に陥ることになった。おかげでイノベーションは、一部の学者の占有物となった。 しかし、歴史の語るところを見るがよい。あの産業革命の父・ワット(1736〜1819)は一介の職人であったし、現代の仕掛け人であるマイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏もヤフーの創業者ジェリー・ヤン氏も学者ではない。 シュンペーターはイノベーションの本質は「既存のものの新しき結合である」と説いた。 「既存のもの」から新しき創造は可能か、という問いには次のように答えることができるだろう。「我々の思考の過程を考えるに無から有を生じることはできない。いま頭の中にあるものを結びつけることで新しい発想は生まれるのだ」と。 いま日本に必要なのは「新しき結合である」といえる。米シリコンバレーの活力が、さまざまな結合が許容されるところから生まれている点からも、このことは明らかである。
(朝日新聞夕刊 平成17年3月15日 経済気象台より)